日々人を待つ人々
日々人が月から帰ってくる――。
地球に帰還する時の命綱となるパラシュートを手がけたのは、ピコ・ノートン。六太たちが訓練として参加した、「カムバックコンペティション」のサポート役だ。しかし、今回は3年前のパラシュート事故以来、初めての月からの帰還である。事故を知る関係者の間には、緊張が走っていた。
その頃、日々人、リンダ、ダミアンは、着陸船アルタイルに乗り、月面を離れていた。月軌道上には地球への帰還船3機が回っており、日々人たちが乗って行ったオリオンと、ロシアチームのルーニエ2号、もう一つは予備として、2025年に無人で月に送られた、3人乗りのオリオンがあった。今回日々人たちが帰還船として乗り込むのが、この3人乗りのオリオンである。
日々人たちの帰還日――。
ピコは、自宅の洗面所でヒゲや髪を整え、見違えた姿になっていた。
なぜキッチリネクタイを締めるのか、と息子たちに聞かれると、ピコは言った。
「ネクタイを締める理由なんてのは、1コしかねえ、仕事が無事に終わった後に、緩めるためだ」
その顔は、『必ず日々人たちを地球へ帰す』、そう願掛けをしているかのようであった。
管制室内には、大勢の管制官、宇宙飛行士、六太たち訓練生が集合していた。
そしてその外側の観覧室では、南波父母、ジェニファー、ピコが、日々人の帰りを今か今かと待ちわびていた。
そして――。
砂漠の真上に、パラシュートが全てキレイに開いたオリオンが、見事に降下してきた。
日々人たちは無事、地球に帰還できたのである。
大歓声の中、ジョンソン宇宙センターの滑走路に、ダミアン、リンダ、そして日々人が到着した。
規制線の外には、六太、南波父母、アポも来ていた。
重力にやや汗しつつも、手を振って歩いてくる日々人。
目の前に日々人がくると、六太はまるで近所から帰ってきた弟を出迎えるように言った。
「よう日々人――おけーり」と――。
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宇宙兄弟
TVアニメ『宇宙兄弟』読売テレビ 宇宙飛行士となった弟、無職の兄。約束をかなえた弟、約束を思い出す兄。約束の宙(そら)を目指す、宇宙兄弟の物語が始まる。
放送スケジュール
06/08 (土)
- 日本テレビ・17:30
- 中京テレビ・17:30
- 読売テレビ・17:30
- TeNY・17:30
- 長崎国際テレビ・17:30
11/01 (金)
- アニマックス・19:30
12/25 (火)
- チバテレビ・18:30
前後の話
- 第58話 本気の失敗
- 第59話 誓いのサイン
- 第60話 海人(うみんちゅ)と宇宙人(うちゅんちゅ)
- 第61話 日々人を待つ人々
- 第62話 遥か遠くを望む人
- 第63話 若き日のドキドキ
- 第64話 一切れのケーキ
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