人生可変、約束不変
『兄とは常に、弟の先へ行っていなければならない』
子どもの頃から、兄・六太はずっとそう思っていた。
だが、何かにつけて先へ行っていた、弟・日々人。
しかし今は、自分が日々人の先に行っているのか、後ろにいるのか、なにもわからない。
それは、日々人が何も言わず、六太の前から姿を消したからだった。
日々人が心配で、訓練にも集中できない日が続く六太。
そんな様子を見かねた新田が、珍しく六太を飯に誘った。
ピザを食べながら、新田は自分の弟・カズヤの話を始める。
以前引きこもりだったカズヤは、今は外にも出られるようになり、バイトにも行くようになったらしい。
さらに、ずっとやりたがっていた、宇宙関連の会社の入社試験を受け、筆記試験を通って面接まで行ったとのこと。
だが結果は、不合格だった――。
『過去に何もせず引きこもりの経験がある人間は、大事な時にまた引きこもる可能性がある』
その会社の上司数名から、そう判断されてしまったのだ。
日々人の現状と重ね、カズヤを心配する六太。
しかし、カズヤは英会話の勉強をはじめ、ヒューストンで仕事を探すことに決めたらしい。
六太は願った、日々人もカズヤのように前に進んで欲しい――と。
その帰り際、ようやく六太のもとに、日々人からメールが届いた。
『久しぶりムッちゃん。しばらくずっと死んでたけど。なんとか最近生き返りつつあるよ』
どうやら日々人は。今までアメリカのいたる所をブラブラと一人旅していたらしい。
そして六太に、自分がNASAを去ることを明かす。
『だけど心配はいらねーよムッちゃん。宇宙飛行士を辞めるつもりはねーから』
NASAの室長バトラーは、JAXAの星加と話し合っていた。
日々人が再び月に行けるように、星加が協力してくれていたのだ。
「なんてことはない。アストロノートからコスモノートって呼び名に変わるだけだよ――って言ってましたよ。日々人君は」
日々人はNASAを離れ、ロシアで宇宙飛行士となり、再び月を目指すことにしたようだった。
六太はキャプコムとして、月へ向かうビンスを送り出していた。
誰もがビンスたちの乗ったアレスワンを見上げている頃、六太の心は、日々人からあの日届いたメールの、最後の一文を思い出していた。
『月面で会おう』
六太には、いま日々人が何をしているのか、知ることはできない。
だが、六太は信じていた。
日々人も、必ずどこかで月へと近づいているはずだと――。
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宇宙兄弟
TVアニメ『宇宙兄弟』読売テレビ 宇宙飛行士となった弟、無職の兄。約束をかなえた弟、約束を思い出す兄。約束の宙(そら)を目指す、宇宙兄弟の物語が始まる。
放送スケジュール
03/22 (土)
- 日本テレビ・17:30
- TeNY・17:30
- 中京テレビ・17:30
- 読売テレビ・17:30
- 長崎国際テレビ・17:30
08/08 (金)
- アニマックス・19:00
02/21 (木)
- チバテレビ・18:30
前後の話
- 第96話 宇宙飛行士であり父であり
- 第97話 消えないんだ
- 第98話 最強の宇宙飛行士
- 第99話 人生可変、約束不変
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