消えないんだ
ヒューストンで初めての正月を迎えた南波一家。
南波・母は初笑いのためにお気に入りのDVDまで持参し、家族4人、そろって年越し『うどん』を食べていた。
しかし日々人は、まだ次のミッションが決まらず、不安な毎日を過ごしている様子。室長・バトラーは最善を尽くしてくれているようだが、どうやら日々人の復帰に反対している人物がいるらしく、未だに訓練が少ないという。
「なあ、ムッちゃん。もしかしたら……俺はもう月に行けないかも」
日々人の思いがけない言葉に、衝撃を受ける六太。
『復帰試験に合格したのだから大丈夫だ』と励ますが……。
「俺も最初はそう思ってたんだよ。克服すれば万事解決、またすぐ宇宙に行けるって。だけど全くアサインされそーな気配がなくてさ。それで……なんとなく気付いたんだ」
六太は、不安に押しつぶされそうになっている日々人の声に、緊張を隠せないでいた。
「俺の中からパニック障害が消えても……まわりの頭ん中からは消えないんだ」
努力して足掻いても、『南波日々人はパニックを起こした宇宙飛行士』という事実は、周囲の意識から消えないらしい。
NASAの会議室では——。
室長バトラーは、マネージャーであるゲイツを説得しようとしていた。このゲイツこそが、日々人を復帰させたくない人物なのだ。日々人が克服できたのはプールの中だけ、『月面で発作は起こらない』と断言できない以上、復帰させることはできないとゲイツ。
「樽一杯のワインにスプーン一杯の汚水を注ぐと……それは樽一杯の汚水になる」
さらにゲイツは、日々人を『毒』とまで表現した。
「樽一杯のワインの中に、スプーン一杯の毒……『もう飲んでも大丈夫ですよ』と言われたところで……君なら飲むか? 飲めるワインは他にもあるんだ。バトラー」その問いに、バトラーは答えることが出来なかった。
その結果、バトラーは日々人に、もう宇宙飛行士として、NASAでは復帰できないことを伝えた。
「大丈夫ですよ。バトラーさん……こうなる予感はありました。俺はもう宇宙へ行けないって。そんな気はしてました」
日々人はもう覚悟を決めていたようだった。
日々人から『もう月へは行けないかもしれない』と聞いた、翌朝——。
六太は、出まかせでもいいから日々人に一言、『なんとかなる』と言ってやろうと決めていた。
だが、もう遅すぎた。
日々人は姿を消しており、六太は何も伝えられずに、その機を逃してしまったのだ——。
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宇宙兄弟
TVアニメ『宇宙兄弟』読売テレビ 宇宙飛行士となった弟、無職の兄。約束をかなえた弟、約束を思い出す兄。約束の宙(そら)を目指す、宇宙兄弟の物語が始まる。
放送スケジュール
03/08 (土)
- 日本テレビ・17:30
- TeNY・17:30
- 中京テレビ・17:30
- 読売テレビ・17:30
- 長崎国際テレビ・17:30
07/25 (金)
- アニマックス・19:00
02/19 (火)
- チバテレビ・18:30
前後の話
- 第94話 ワクワクチームワーク
- 第95話 俺らの将来
- 第96話 宇宙飛行士であり父であり
- 第97話 消えないんだ
- 第98話 最強の宇宙飛行士
- 第99話 人生可変、約束不変
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